無免許データサイエンティストの独り言

無資格・無免許のデータサイエンティストによるデータ分析業界の裏話

データサイエンティストに「資格」が不要な理由

 

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筆者はデータ分析を生業として、10年以上が経過している。

一応は、その道のプロと言える。

 

近年は「データサイエンティストになりたい」という人も多いようで、そうした人向けの資格ビジネスや教育ビジネスも盛り上がっているようである。さて、ところでこうした資格は本当に役立つのであろうか?

 

筆者は「データサイエンティストに資格は不要」と思う。詳細は後述する。

 

しかしながら、ググってみるとデータサイエンティストになりたい人におすすめの資格などと言いつつ、資格取得サイトや転職サイトへリンクし、アフィリエイト収入を得ようとするゴミ情報が散見する。

 

こういうのを見ると、Googleは検索アルゴリズムのアップデートでこれらを上位に表示させたくないんだなー、と実感する次第である。

 

以下で、筆者の私見を書いてみたい。

リクナビネクストとDODAでデータ分析系資格を検索してみる

調査した資格が少なくて恐縮であるが、国内最大級の転職サイト2つにて資格名を必要条件として掲げている求人票をカウントしてみた(検索日 2019/11/13)。

 

結果は以下の通り。

資格名 リクナビNEXT DODA
統計士 0 0
統計検定 1 1

御覧の通り、ほぼなしである。

 

とは言え、まったく言及がないわけではなく「尚可」、「歓迎条件」などで掲げている求人は存在するが、需要の強さとしては、トラックドライバーが運転免許が必要なのと比べると別次元である。

雇う側としてはデータ分析の経験が重要

さて、ではどういったスキルや経験を持った人が転職する上で有利なのだろう。求人票を観察すると、「経験」である。データ分析をして問題を解いたことがあるのかないのか。ここを具体的に説明できると強いと思われる。

 

筆者の職場においても、大学等で機械学習を学んだ、と称する若者と話をしても、ほとんどはまともな経験を積んだことがない子が多い。よく居るのがiris 、titanic 、mnist などのデータしかいじったことがない子である。

 

試しに、某転職サイトにて「データサイエンティスト職、勤務地 東京、年収 550万~」で求人を検索し、その中に出てくる必須条件の文言を収集し、単語の出現頻度を観察してみた。データの視覚化に使用したのは、AIテキストマイニング ツールのユーザーローカルさんである。

データサイエンティスト職の求人をテキストマイニングしてみた

出現頻度が多い単語のフォントが大きく表示されるワードクラウドを観察すると、以下のような感じになった(調査日 2019/11/15)。

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同様のデータから共起キーワードをグラフ化してみると以下の通りである。

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以上から、データサイエンティスト職を得るには、資格の取得などより、分析経験があることが重要であると言えそうである。

データ分析者は求職、転職をする際、何をアピールするべきか

では、経験を強調する際には何を伝えるのが効果的だろうか。

 

筆者の場合、数年前現在の職場に転職する際は、「データ分析は昔から趣味でやっている。Yahoo!ファイナンスで上場企業の決算書をスクレイピングして、IT業界の高利益率企業を抽出してパターンを認識した。要は特異なデータベースを保有している企業である。御社はそれにマッチしている、そこでデータを分析して価値を生み出したい」と言ったようなことを説明した所、面接官は笑っていた(で、受かった)。

 

トラックドライバーが普段から車を運転するように、アスリートがトレーニングを継続しているように、データ分析者も普段から分析をしていることを強調してみてはいかがだろうか(そもそもデータ分析に興味がないならやめといたほうがいいと思う)。